絵金によせる四重協奏詩曲 op.37

絵金によせる四重協奏詩曲
作品番号:37
読み:えきんによせる しじゅうきょうそうしきょく
編成:独奏二胡,独奏二十絃,独奏尺八,独奏十七絃,箏2,17絃
長さ:約15分

江戸時代末期から明治時代に活躍した絵師・絵金は、土佐独特の芝居絵屏風を大成したことで知られています。
一つの絵に複数の場面を描く異時同図法や、鮮やかながら血の流れるおどろおどろしい場面を描くことを大きな特徴としています。
また、掛け軸、画帖、白描、絵馬といった様々な作品も手がけた
高知を代表する画家の一人です。

この曲は、絵金の残した絵の中から4作品を取り上げ、その印象を4楽章からなる和楽器協奏曲として仕上げました。
1楽章は十七絃を主に独奏楽器とし、嘉永7年に起きた大地震を描いた
「土佐震災絵図」
2楽章は尺八を主に独奏楽器とし、子供向けに描かれたとされる
「子供四季風俗図」
3楽章は二胡を主に独奏楽器とし、白描画「猫」
4楽章は二十絃を主に独奏楽器とし、芝居絵屏風「花上野誉石碑 志度寺」
をそれぞれモチーフとして作曲しています。

2018年 松村紫乃 委嘱作品

最初に委嘱のお話を頂いた時には編成が大体決まっており、「主役が多すぎてどうしよう…」と非常に困惑しましたが、なんとか楽章毎に様々な絵金の絵をモチーフとしつつ、それぞれに独奏楽器を割り当てるという方法に落ち着きました。